【報告】第4回 大阪芸術文化交流シンポジウム「現場の視点から地域アーツカウンシルの〈仕組み〉を紐解く」レポート2:登壇者・スタッフインタビュー

レポート

2022年2月26日、国立国際美術館 講堂にて「第4回大阪芸術文化交流シンポジウム」を開催しました。
開催の様子については「レポート1:記録映像・レポート」をご覧いただければと思います。
ここでは、登壇者とスタッフの終了後インタビューを紹介します。

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登壇者インタビュー

山森達也(やまもり・たつや)

アーツカウンシルみやざき(公財)宮崎県芸術文化協会 プログラムディレクター

たくさんの方に「こたつ」を褒めていただきありがとうございます。「ひなたにこたつ」とは、県庁の中にこたつを置いてみたら、誰か話に来てくれないかな?という事業でしたが、今回のシンポジウムもそうだったのだと思います。つまり、話ができる場を用意するだけで、アーツカウンシルに対する期待や現状について話をしたい、そして話を聞きたいと思ってくれた方が集まっていただけたことが一番の成果だったと思います。そしてその場をご用意いただいた大阪アーツカウンシルの皆様に心より感謝を申し上げます。


杉浦幹男(すぎうら・みきお)

アーツカウンシル新潟(公財)新潟市芸術文化振興財団 プログラムディレクター

全国各地で続々と設立されている地域アーツカウンシル。それらのミッションや課題は、様々です。今回のシンポジウムでは、全国の多様な地域アーツカウンシルに個性的な文化芸術の専門人材が活躍していることがわかりました。多様で豊かなわが国の地域社会の未来に向けて、その地域に暮らしていく人々のニーズに応える中間支援機能を担う地域アーツカウンシルが広がっていくことを期待しています。


高田佳奈(たかた・かな)

おかやま文化芸術アソシエイツ(公社)岡山県文化連盟
公益社団法人岡山県文化連盟事務局/おかやま文化芸術アソシエイツ担当

全国に15ある地域アーツカウンシルのうち、6つの事例を比べてみるだけで、こんなにも様々な取り組みがなされているという事実こそが、正解のない地域アーツカウンシルの多様性を現していると思います。「地域」を組成する文化資源や文化資本、そしてそこに暮らす人々がそれぞれ違うように、スタンスやアプローチ、目的達成のための手段や表現の手法も違って当たり前だと思うからです。今後も各地域アーツカウンシルの皆さんと知見を共有しながら、地域の文化芸術の専門家として、きちんとやるべきことをやっていきたいです。


八巻真哉(やまき・しんや)

京都府文化スポーツ部文化芸術課 地域文化創造促進事業担当

地域に根ざした、「今ここ」でなければ生まれてこない文化政策環境を整備していければと思っています!!


上田假奈代(うえだ・かなよ)

堺アーツカウンシル 堺市文化観光局文化部文化課 プログラムディレクター
詩人

全国のアーツカウンシルの担い手のみなさんのまわりには、国や自治体職員、さまざまな芸術関係者がいて、そして市民のみなさんと手を取り合いたいと考えていることを感じました。地域には特徴があり個性があります。せっかくだから意見交換やコミュニケーションを通じて、地域をもっと多面的にとらえたいと思います。
コロナ禍がつづき、そして世界情勢は刻々と変わり、戦争の足音が聞こえます。アーツカウンシル宮崎の大きなコタツの取り組みは象徴的で、寒い日にコタツでお互い足元をあたためながら、言葉はすぐに出てこなくても、窓の向こうを眺めて、ゆっくり春を待ちたいと思います。明けない夜はない、と信じて。

スタッフインタビュー

運営スタッフの大阪アーツカウンシルアーツマネージャーの感想をご紹介します。

〇地域によってアーツカウンシルの取り組み方の違いや、課題が共有でき、交流できたことはとても有意義なシンポジウムだった。(豊山佳美)

〇運営サポートとして、滞りなくスムーズな運びで進行ができて良かったです。それぞれのカウンシルの規模や取り組み方、アプローチは異なりますが、こういった情報共有や意見交換の重要性を改めて感じる機会でした。(冬木遼太郎)

〇集まったアーツカウンシルは各地域で課題が異なる点、そもそも活動歴がまだ少ないところもあり、感想をまとめるのは難しいが、ディスカッション部分で社会包摂や観光について議論になった部分など興味深く拝聴した。(田中晋平)

〇企画としてとても面白く、興味深い内容でした。こういう企画をどのように広めていくかは難しく、タイミング的に広報も難しかったが、動画で見れる状態になった時にもっと見てもらうように仕掛けていきたいと思った。(若旦那家康)

〇シンポジウム内で、地方アーツカウンシルの人材について触れられていたが、人が活かされる環境(設備や備品といった労働環境や就労条件)も、合わせて検討されている必要があると思った。もちろん、設置目的によって必要な人や場は異なるため、組織ごとに関係者らと丁寧に対話しながら準備される必要があるだろう。(野添貴恵)

〇アーツカウンシルと一口にいっても、各地域ごとにその体制や取り組んでいる業務・課題、事例紹介の内容やそのプレゼンテーションの仕方まで良い意味でばらばらで、それはその地域のニーズや環境を第一に考え寄り添っていることの証明であると感じられました。コロナ禍さえなければ、例年のように交流会でもっと話が聞きたかったです。(三田村啓示)


中西美穂(なかにし・みほ)

[総合司会]
大阪アーツカウンシル統括責任者
大阪府市文化振興会議委員
(いずれも2018年より)

大阪芸術文化交流シンポジウムの第4回を無事終えることができてほっとしています。ご登壇、ご協力、ご参加いただきましたみなさまに心から御礼申し上げます。
2018年より4年間、毎年一回実施してきましたシンポジウムでは、第一回は「演劇」、第二回は「美術」、第三回は「公立文化施設」、第四回の今回は「地域アーツカウンシル」とテーマを決め、多彩なゲストスピーカーをお招きしてきました。4回シリーズ全体で、芸術家や文化団体の個別の活動を、自治体文化政策につなげる一つの道筋を示せたのではないかと自負しています。毎回の記録は報告書や動画として残しています。各々の活動現場や文化政策立案の際の参考にしていただければと思います。


第4回大阪芸術文化交流シンポジウム
「現場の視点から地域アーツカウンシルの〈仕組み〉を紐解く」
(2022年2月26日開催 主催:大阪アーツカウンシル)