若手プロデューサーがONPSを通じて「叶えたいこと」「企んでいること」とは?

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レポート

1月24日に「ONPS」(「芸術文化魅力育成プロジェクト2016」)の 一環として若手プロデューサー育成ミーティングが行われました。大阪府・大阪市が主催するこのプロジェクトは若手プロデューサーの育成と交流も大きな目的。3月まで毎月、ミーティングを重ねます。1月はそれぞれが何を叶えたいのか、企んでいるのかを共有することがテーマでした。

3月にフランスで開催されるストリートダンスの世界大会JUSTE DEBOUTの日本代表に選ばれたばかりのSHUNJIさん、和太鼓「飛龍」の池口誠さん、「スーパー落語」を手がける音楽プロデューサー宿利原健さん、ファッションの近藤綾香さんの4人が参加し、ONPSの総合プロデューサーである田中大爾さん、大阪アーツカウンシル委員・山納洋さんが進行役を務めました。

今年の2月の開催に向けて、打ち合わせや練習が進んでいます。その中で共有されたのが若手プロデューサーそれぞれの挑戦です。

SHUNJIさんの挑戦はブレイクダンスで2時間の舞台を行うこと。そもそもブレイクダンスのパフォーマンスは通常5〜10分程度ということですから、短距離走を2時間続けてやるようなものです。さらに1500人収容できる大きな会場でブレイクダンスをすること自体が日本ではじめてなのだとか。

池口誠さんは和太鼓とストリートダンス、DJのコラボレーションに挑みます。和太鼓のステレオタイプなイメージを払拭したいと言います。リハーサルを重ねる中でDJのテンポや音の種類の豊かさに刺激され、「今まで体験したことのないインパクトのある見せ方ができそうだと感じています。和太鼓奏者はコンサートという形を目標にしている人が多いですが、今までとは違う演出を見せ、和太鼓奏者たちにも新しい表現方法が伝わればと思っています。

近藤綾香さんはモデルの人気だけで集客する傾向のある今どきのファッションショーではなく、ダンサーが歩くように踊る今までにない新感覚のショーを企画しています。新しい見せ方を提案するとともに、ダンサーの仕事の幅が広がればと語りました。また告知宣伝を「TwitterやInstagramなどSNSだけの力でどれだけ広がるか実験したい」と狙います。

宿利原健さんは、ライブハウスで落語を見せるという今回の取り組み自体に実験的要素が高く、大きな挑戦だと語ります。

「ライブハウスのプロデューサーは、普段はイベントのオーガナイザーがやりたいことをサポートしていく立ち回りが主ですが、今回はこちらからオファーをかけています。さらに落語という伝統文化の分野とのコラボレーションでどこまでのことができるか、落語家サイドと打合せを重ねながら模索中です」

1月のミーティングでは、今回のONPSで若手プロデューサーたちが叶えたいことを語り合い、それぞれが関わる分野の文化シーンをどう見ているのか、何が問題で、どう変えたいと思っているのかを共有する時間となりました。ミーティングの後、参加者たちは「言葉にすることで思考が整理できた」「プロデューサー同士で話すチャンスがほとんどないので、大きな刺激になった」などと話していました。

ミーティング後半からは放送局の取材も入りました。今回共有された言葉が整理されて伝えられたことと思います。

(構成=狩野哲也)