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2019年5月7日に開催された「令和元年度 第一回大阪府市文化振興会議」に「大阪の文化振興に関する提案」を提出しました。

大阪の文化振興に関する提案(2019年3月28日  大阪アーツカウンシル )

大阪に行き交う芸術家や、その活動を支えるプロデューサー・アートマネージャー等、府 ⺠・市⺠、その一人一人が大阪の文化の主役です。主役たちが互いに尊重し、大阪の文化に ついて対話し、それによって創造活動が活性化する環境を整備する必要があります。 なぜならば、近年、大阪府市の文化行政の変化、インターネットやSNS等による情報発 信のあり方の変化、少子高齢化による芸術文化の受け手や担い手のあり方の変化などによ り、従来からの芸術文化を推進する枠組みを踏襲するだけでは、世代間やジャンル間交流が 疎闊になり、芸術文化活動の継続や、新しい芸術の価値観を生み出す人材育成を充分に行う ことが難しい状況だからです。 大阪・関⻄万博の開催決定、インバウンドの増加、さらには外国にルーツを持つ人々との 共生などから、国際的な視点が文化振興のビジョンに求められています。また、都市の魅力 をさらに高めるためには、全ての芸術文化に対するアクセシビリティへの配慮が必要です。
この状況をよりよい未来につなげるため以下の三点を提案します。

一つめに、これからの芸術文化を支える人材育成を行ってください。具体的には、若手及 びミドル・キャリアのプロデューサー・アートマネージャー等の海外短期研修等と、各自治 体の文化振興に関わる担当者の芸術文化の基本的な研修を連環させ、年度の枠を超えた企 画を実施することを提案します。それを通して、芸術文化の現状に見合った文化振興の環境 を整えてください。 二つめに、補助金・助成金制度を大阪の芸術文化がより活性化する形態、仕組みに改善し てください。府⺠・市⺠、⺠間主体での大阪文化力向上のポテンシャルがある補助金・助成 金制度について、その力を最大限に活かし、より多くの必要とする事業や活動に届き、かつ より多くの府⺠・市⺠や、そこにつながる人々に波及するように、現場や時代のニーズを汲 み改善する必要があります。改善の内容については、ワーキングチームを大阪アーツカウン シル部会に設置し、先行事例やアンケート調査等をふまえ、検討していきます。 三つめに、現行の事業評価制度が、より効果的に事業を推進し、さらには大阪の未来を語 ることに活用できるように環境を整えてください。国内外の先行事例を参照しつつ、例えば、 大阪アーツカウンシルと府市職員、事業に携わる方々が、現場で対話し、事業の成果や課題 を共有できるような評価システムの改良を提案します。

以上を、2019年度から、順次開始してください。
(以上)

2018年3月18日に大阪ガス都市魅力研究室(グランフロント大阪)で開催された「あつかん談話室特別編:大阪アーツカウンシルのこれまでとこれから」より

2018年4月より大阪アーツカウンシルの統括責任者となります中西美穂です。

本日は、私の芸術文化に対する思いをお話して、挨拶としたいと思います。大阪が舞台の代表的な小説「夫婦善哉」をご存知かと思います。作者は織田作之助、ファンは親しみを込めてオダサクと呼ぶ小説家です。彼はどうして、大阪の下町の人々を小説に描いたのでしょうか。多くの場合、彼の自由奔放な人生に焦点があてられ語られますが、彼の人生は、実は戦争まっただ中だったんですね。戦争中は芸術表現に国家の統制がありました。そのような国という大きな力の時代に、オダサクは、大阪の下町の一人一人に焦点をあてた小説を書いていたんです。これって、つまり国という大きな力に対抗しうる、大阪の人々一人一人の小さな力を、オダサクは書きたかったんだろうと思うんです。

これからオリンピックや万博に関する大きな動きが、芸術文化に持ち込まれることが考えられます。そんな時に、一人一人の小さな力を、大きな力に対抗しうるものとして表現することで、オダサクのように、のちのちまでも愛され、高い評価が得られる表現となるのだろうと思うのです。小さな一人一人の力について考えるには、実際に人々と話してみるのがよいのです。例えば、私は人々の移動は『無視できないな』と思うのです。おばあちゃんたちと話していると、福井から大阪に嫁に来たとか、香川に疎開していたとか、姉にくっついて沖縄から大阪に来て食堂で働いておじいちゃんと出会ったとか。その語りは、彼女たちが大阪に移動して来たことを明らかにします。また、最近はインバウンドと呼ばれる海外からの旅行客が増加していますが、これも移動する人々です。さらには、大阪の長い歴史においては、朝鮮から、中国から、フィリピンから、ネパールからなど、多様なアジアの国々から人々が移り住んできました。そんな移動する人々も小さな力の一つであり、つまり、人々の移動は無視できない。いや、それだけではなく、移動というものが、人々の文化において大前提なのではないか、と人々と話すなかで考えたりもします。

私は人々の表現や、考えが、あちこちに、さまざまに、溢れている感じが大好きです。そして、大阪は、表現や、考えがさまざまに溢れているまちだと思っています。みなさまと、いろいろな場面で出会い、再会し、協力をいただき、教えを乞いながら、大阪アーツカウンシルの職責をはたせたらなあと思っています。